昨今のご時世、自社ドメインECサイトを運営し始めたが、なかなか成果に繋がらないとお困りの事業者様も多いのではないでしょうか。
こうすれば儲かるという美味しい話があるならばその話だけしたいところですが、成功しているよそのD2C系のECサイトの例を挙げます。今後も成功のヒントになりそうな例のポイントをまとめすので、よろしくお願いいたします😄
急激に売上が上がり始める転換点とは
大抵どこでも自社サイトを運営し始めても1年は売り上げが伸びない低空飛行の状態が続きます。しかし、1年を超え始めるころには転換点を迎え売上が急激に伸び始めるECサイトがチラホラではじめます。
なぜそのような急激に売上が伸びる現象が起こるのでしょうか?🙄
多くの転換点の原因は新規購入とリピート購入の比率の変化があります。リピート注文が新規注文の割合を超え始めると、注文数が日を追うごとに増え始めます。そして、新規注文が50%、リピート注文が50%を超え始めると、注文が伸びる事象が発生するのです。
簡単なシミュレーションを記事にまとめているので、こちらを是非読んでみてください。スプレッドシートを公開していますので、シミュレーションの関数もご覧いただけます。
ECサイトをスタートし始めた段階では、顧客の新規獲得を維持し続けてもリピート注文が低いのは当然なのです。
仮に1月開店で12月までを1年と区切るとします。リピート注文率が一定であったとしても、初年度は1月の新規顧客は12か月間リピートの購入の機会があります。しかし、11月に購入した新規顧客はリピート購入する機会が1か月間しかありません。2年目以降の1~12月には前年度の新規顧客からリピート注文が含まれるため、初年度のリピート率は低くなります。
ただ、リピート注文が低い状態であっても、既存客をCRMなどで囲い込み(メール、twitterやInstagramやLINE公式アカウントでも無料で囲い込めるのでOKです!)適切なコミュニケーションを通して、リピート注文につなげる地道な接客が、この転換点を迎えることができるかどうかの分かれ道になります。
低空飛行が続いていても、あきらめずに一緒に頑張りましょう💪💪💪
D2C単品販売に向いてる商品と向いていない商品
今回紹介するのはD2C単品通販ですが、はまりやすい商材とはまりにくい商材が現実にはあります。「比較的深いお悩み」や「強くこうなりたいというお悩み」を解決する商材がはまりやすいといわれています。
Googleキーワードプランナーなどを使って検索ボリューム(月間検索回数)を確認することで取り扱い商品がどの程度ニーズがありそうか目星を付けることができます。
また、「競合がどのくらいいるか?」「クリック単価がどのくらいか?」などを調べたうえで、このジャンルこの商品このターゲットであれば勝てる見込みがあるか算段を付けましょう。
リピート購入が増えるとLTVが増加する
これまで一度購入頂いたらおしまいだった状態から、何度もリピート購入いただけるお客様が徐々に増えるようになると、LTVが徐々に増えていく状態になります。
(LTVというのは、生涯そのお客様が購入してくれる売上の総額です。実際LTVを指標として使われてる方の中には1年間など期間を区切ってる場合も少なくないと思います。)
LTVは、このような計算式でLTVを算出するケースが多いです🤔
LTV(売上)=平均注文単価×注文頻度×継続購買期間
LTV(売上)=平均注文単価×平均注文頻度
LTV(粗利)=(売上高-売上原価)÷購入者数
リピート注文率が50%を超え始めたら広告戦略を立て始めましょう。
リピート率50%を超えるまでのリピート注文施策については、またニーズがあればまとめようと思います😄
LTVがあがると広告で利益をだしやすくなる
では、リピート注文率50%をすでに達成しているとします。
- リピート注文率>50%
するとLTVも上がりはじめ、一定額を超えると広告で集客しても利益を出しやすい状態になります。つまり、1件注文を獲得するためのマーケティング予算をねん出しやすくなります。広告などマーケティング活動で1件注文を取るのにかかるコストをCPA(Cost Per Acquisition)といいます。
仮に一回の注文で赤字であっても、一定のリピート率が見込める状態であれば、LTVで利益がでます。よって、CPAがLTV(粗利)より低ければ、広告を打っても確実に利益が残しやすくなりますよね😄
ここで広告で獲得するのは新規注文1件のアクションではなく、新規顧客1人を獲得という感覚でとらえましょう。LTVで考えるというのは、注文1件獲得ではなく、「今後もリピート購入する見込みのあるお客様を1人獲得する」という事です。
広告で新規のお客様を獲得すると、そのお客様のうち一定数がリピート購入(リピート注文率>50%)してくれるので、単発の売上ではなく、リピート購入を踏まえたLTVで儲けが出るという事です。
よって、LTVに対していくら目標CPAをかける事ができるのか設定します。
- 目標CPA<LTV(粗利)
広告で利益が出るなら広告でブーストする
何度でもしつこく書きますが、ここではD2C型の単一自社商品を販売しているECでの例を話します。一般的な多商品を取り扱うECはニーズがあれば別途記事化します。
リピート率50%のお店が広告で新規獲得を2倍に増やした場合のシミュレーションです。
広告で必要な注文数
まず、年間売上目標までに何件の注文が必要なのか目標注文件数を導きます。目標注文件数は、新規注文とリピート注文に分類できますね。新規注文を広告以外(SEOとかSNSとかOMOとか)での獲得と、広告での獲得で分類できます。
ここでは計算がややこしくなるので、シンプルに新規獲得=広告経由の新規獲得として話を進めます。
以下のような計算式が成り立つことがわかると思います。
- 年間売上目標=平均注文単価×目標注文数
- 目標注文数=新規注文数+リピート注文数
- リピート注文数=目標注文数×リピート注文率
この3つの式からいくつ新規注文が必要なのか整理するとこのような式が出来上がります。
- 目標注文数=新規注文数+目標注文数×リピート注文率
- 新規注文数=(1-リピート注文率)×目標注文数
- 新規注文数=(1-リピート注文数)×(年間売上目標÷平均注文単価)
年間売上目標を定め、平均注文単価とリリピート注文数をGoogleAnalyticsなどから実績値を抽出すれば、新規注文数がいくつ必要か試算できます😄
マーケティング予算
商材や業種にもよりますが、マーケティング予算は注文単位で利益を確実に取りにいく場合、全売上に対して3~10%程度が多いように思います。LTV全体で利益を最低限確保しつつ売上・注文数を取りにいく場合は20~25%くらいまで引き上げられるケースもあります。(いずれも、全売上目標に対してのマーケティング予算比なので新規もリピートも含めた注文に対する売上比になります。)広告で売上をブーストさせるのはもちろん後者です。
- マーケティング予算目安(利益重視)=年間売上目標×3~10%
- マーケティング予算目安(売上重視)=年間売上目標×20~25%
※目標売上に対するマーケティング予算比は、取扱商品によっても大きく異なります。前年のマーケティング予算と成果の前年比が出せる場合は、前年比ベースで検証します。
また、目標注文件数を導ければ、目標CPAと掛け合わせて、広告予算をみちびけます。
- マーケティング予算=目標CPA×新規注文数
2種類の掛け合わせて目標CPAの妥当性を検証しましょう。
マーケティング予算が決まったら実施
広告予算が決まったらどの媒体にいくら配分して実施するか決めます。
広告はリスティング広告系、SNS広告系、アドネットワーク系など様々ありますが、取扱商品などによって何が適切か異なります。広告はお金が出ていきますからプロに相談することを強くお勧めします。広告のプロのコンサルフィーはほぼ決まっていて広告全体の予算の20%前後です。
まずは全体予算の10%程度でテストを行い成果をみます。テストの結果見込みの高い広告プランに100%投下する事をお勧めします😉
ちなみに、世界規模のD2Cはテレビ広告までガンガン打ちます😅それはLTVで利益が確保できる見込みがあるからなせるのです。人通りの多いマンハッタンのど真ん中にリアルの店舗まで出す(ちなみにマンハッタンの隅っこの1Roomの家賃が約30万/月が賃貸の相場です。)のも、リアル店舗の経費と膨大なデジタル広告と比較して費用対効果が高いからなせるのです。
まとめ
広告を出して注文を取ればとるほど、獲得効率は低下していきます。きちんと利益が残るギリギリまで広告出稿することで、最初に述べた売上の急増がになります。
今回は単一自社商品を販売するD2C型ECの話をしました。
取り扱い商品が1点しかないような場合はCPAをKPIとすることは有効ですが、商品単価や利益、値引率など異なる様々な商品を取り扱う場合、CPAをKPIに据えるととんでもない事になってしまいます😫
と言うわけで、多数の商品を取り扱うECの話はまたニーズがあれば書きます!😄
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