本年度買った顧客のうち、何割の方が来年度も購入いただけるかを示した指標を年度移行率(継続率)といいます。
この指標が低い場合は、売上の大部分を新規顧客に依存することになり、継続的に新規顧客を獲得し続ける必要がある。そのためCPA(顧客獲得コスト)が恒久的にコストに含める必要があるため、あらかじめ十分な利益率を見込んでおく必要があります🤔
この指標は計測開始と終了をきっちり区切ります。例えば4月1日から3月31日までと言った具合に計測期間を区切って、その年度の新規顧客と継続顧客を把握することで、数年先の傾向を予測することができます😄
新規顧客と継続顧客
ここでは1年目に獲得した顧客を新規顧客。そして、新規顧客のうち翌年も購入してくれた顧客を継続顧客と呼びます。
この指標が50%を超えると売り上げは順調に伸びます。50%の場合は新規で購入いただいたお客様のうち半数が、次年度も継続的に購入くださっているという事です。
例えば、1期目に100人の新規顧客が1万円の商品を平均2回買ったとします。すると売上は200万円になります。そのうち2期目に50人の顧客が1万円の商品を4回買った場合を考えましょう。その場合の売上は、200万円です。翌年には顧客が半分に減りましたが、購入回数が増えたために売上が横ばいですね。
多くの場合継続顧客は新規顧客に比べて購入回数が増えます。購入回数がなぜ増えるのかは後述しますが、ここで重要な事は、年度の売上が上がった下がったで一喜一憂せず、新規顧客と継続顧客の売上は、それぞれいくらだったのが重要なのです。継続率50%突破を当面の目標に据えましょう。
新規顧客より既存顧客の方が購入数が増える謎
前述しましたが、1年目に獲得した顧客を新規顧客。そして、新規顧客のうち翌年も購入してくれた顧客を継続顧客と呼びます。
なぜ新規顧客の購入回数をより、翌年度の継続顧客は、購入回数がふえるのでしょうか?🙄これは実は簡単です。構造上の問題です。
下の表を見ていただくとわかりやすいと思います。AさんBさんCさん皆さん3ヶ月おきに商品を買ってくださってるとします。年間の新規顧客が1月~12月に分散しているとします。1月に購入頂いたAさんは4回商品を買ってもらいましたが、12月に購入頂いたCさんは、1回のみです。
このように、同じ購入頻度の新規獲得を期間で区切ると、年度の初めに購入頂いた顧客の購入回数は多くなり、年度の後半に購入頂いらお客様の購入回数は少なくなります😁そして、リピート購入頂けるお客様は長ければ長いほどリピートしやすい傾向があります。そのため、翌年度の購入回数は比較的多くなります。
購入のタイミングによって計測期間が固定であるため、購入頻度が同じだと当然年度の終わりぎわに購入した新規顧客の購入回数は少なくなります😅従いまして、新規顧客よりも翌年度の継続顧客の方が多い傾向になるのです。
年度移行率(継続率)が売上に与えるインパクト
1期目の顧客のうち一部の顧客が2年目、3年目、4年目と購入していただき、2期目の顧客がまた、2期目、3期目と来店いただける・・・すると下の表のようにまとめることができます。
1期目 | 2期目 | 3期目 | 4期目 | |
---|---|---|---|---|
1年目で新規獲得した顧客 | 新規顧客 | 継続顧客 | 継続顧客 | 継続顧客 |
2年目で新規獲得した顧客 | 新規顧客 | 継続顧客 | 継続顧客 | |
3年目で新規獲得した顧客 | 新規顧客 | 継続顧客 | ||
4年目で新規獲得した顧客 | 新規顧客 | |||
合計顧客 | 合計顧客 | 合計顧客 | 合計顧客 |
具体的に数字を入れると以下のようになります。
1期目に100人だった新規顧客が、2期目は継続顧客に代わり30人、3期目は20人、4期目15人と少しづつ減っています。継続率は徐々に向上しつつ一人当たりの購入回数も少しづつ増えています。
同様に2期目、3期目、4期目も毎年同じように新規顧客を獲得し続けると以下のように継続顧客が売上に貢献します。
2期目の新規顧客も同じように、3期目、4期目と少しづつ下がりますが、購入回数は増えていきます。
各期ごとの売上を見ていくとみるみる増えていく様子がわかります。
まとめ
1年目の新規顧客のうち翌年もご利用いただける顧客が30%しかいなくても、さらに3年目もご利用いただけるお客様は50%、さらに4年目は60%と、長くなればなるほど離脱率は下がっていきます。このように年を経過するに伴い離脱率は下がっていきます。
この指標の傾向は毎年近い数値になるため、長期的な売上予測に役立ちます😊つまり、この指標が一定程度取れていれば安泰という事です。この指標をベースに裏KPIツリーでも作ってみますか😎
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