基本的な売上目標(KGI)の立て方

戦略
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売上目標を設定するための方法を紹介します。

目標と似た言葉として目的がよく挙げられます。目的を達成するための中間ゴールが目標ということになります。

売上目標を設定する方法は様々ありますが、重要な事は目標が目的に繋がっているか否かだと考えます。

そもそも、売上目標の目的は何なのか?売上を上げる目的は何なのか?日々の事業活動の目的は?そもそも何のために働いているのか?というところに行きつき、それらを達成するために目標を設定します。

目的と目標の関係

前年比の120%を売上目標と設定する考え方

たとえば、売上目標の目的は次年度の成長とする場合。

前年実績の120%成長という目標設定です。この120%成長は、毎月2%の成長の積み重ねで達成できる数字です。工夫すれば1年程度で手が届きそうだ感じられるということで、非常によく設定される目標設定です。多くの人がモチベーションを感じられ、目標達成方法も工夫に仕方もイメージしやすい目標といわれます。

従いまして、特に個人の成長が売上目標の目的である場合は、前年比120%という目標は非常に良い設定方法だと思います。特に経験の浅い社員が、先輩社員から学び成長する目標などには最適なのではないでしょうか。

しかし、個人の成長を目的とした売上目標ではなく、事業運営の目標となる場合は、増やすべき観点があります。

たとえば、入社5年目の営業は毎年120%づつ積み上げると入社時の2倍の売上目標になっており、10年目は5倍の売上目標になっているということになります。業種などによってはいつまでの継続的にできるものではなく、入社後3年で離職率が高まるなどの原因となかねません。

スタートアップではしばらく赤字期間を計画的に続ける場合もあります。また、SAAS事業やD2Cなど一部のITを駆使した急成長を狙うビジネスモデルにおいては、前年比120%成長というものは意味をなさない売上目標となる場合もあります。また、デジタルディスラプターなどによる市場破壊が進んでいる市場においても120%成長目標は絵にかいた餅になりかねません。

このような個人の成長ではなく、事業の継続及び成長、ひいては企業理念・ビジョンの実現に必要な売上目標を立てる場合に焦点を絞ってまいりたいと思います。

中長期経営計画から売上目標を考える

売上目標を設定する際に、重要なのが売上予測となります。中長期経営計画書や事業計画書などで設定する売上予測です。

売上予測とは、将来の経営計画を実現するために必要な投資や成長および、市場・競合の変化を加味した売上規模の推移をまとめた計画書です。事業計画や中長期経営計画に基づいて設計します。中期であれば3~5年間、長期であれば5~10年間の売上予測を立てます。

この中長期経営計画を手元に用意して、来期の売上目標を設定しまします。

来期売上目標は利益から考える

ただ、売上予測で定めた売上目標をそのまま採用するわけにはいきません。売上予測は理想に近い目標数字であり、現実に必要な売上金と乖離している場合があります。

事業継続のために必要なのは売上ではなく現預金つまりキャッシュです。キャッシュこそが事業を動かすエネルギーとなります。必要なキャッシュは、為替変動、市場変化、取引先数、案件単価、社員数、手元の現預金などの影響を大きく受けます。

どの様な計画においても、常に「事業の継続」を最低限満たすものである必要があるため、売上目標は利益から考えます。つまり、キャッシュをいくら会社に残す必要があるのか?ということです。

利益目標を考える

事業を継続する上で考慮すべき利益は、ケースバイケースであり多岐に及びますが、おおむね以下のようなことで大きく変動してきます。

  • 業種などの特徴
  • 会社の規模
  • 会社のステージ
  • 財務状態・内部留保がどの程度必要なのか

また、ほとんどの企業の場合は以下の内容は考慮する必要があります。

  • 融資の返済に必要な現預金 … 返済額を利益が下回ると現預金が減っていきます。
  • 設備投資など投資に必要な現預金 … 設備投資に必要な利益を確保できれば借入金しなくて済みます。
  • 従業員への決算賞与 … 会社の目標と社員の目標の同期をはかれます。
  • 利益にかかる税金、どの程度キャッシュを残したいのか。

融資がある場合は年間の返済金額分の利益がないと残高が減っていくことになります。

中長期経営計画で投資を行う必要があるならば、どの程度キャッシュが必要なのか取り決める必要があります。設備投資などの多くは減価償却を考慮する必要があります。

社員に決算賞与を支払う場合は、社員の人数分×所定の割合の利益を見込んでおく必要があります。

また、今期分の利益の支払いは来期になるため税金の支払い等も見込んでおく必要があります。。

以上のようなことを踏まえつつ必要な利益を算出します。

来期の固定費を算出する

利益の拡大を一方的に計画にもりこむと、税負担が大きくなります。将来へ向けた投資も考えなくては事業は成長できません。

前年度の固定費を引き継ぐものと、削減できるものがないか精査するとともに、経営計画などに基づき、来年度どのような新たな投資が必要なのか整理する必要があります。事業を成長させるためには投資についてもしっかりと計画を立てる必要があります。

また、ホームページ制作会社など社員が受注生産のような業界は、人件費と売上に強い相関関係が生じるため、売上予測や案件数と人件費は密接に関連するので注意が必要です。

現状を整理し正しく把握する

まずは売上の構造をストラック図を使って整理しましょう。ストラック図を使用すると非常に把握しやすくなります。ストラック図の見方を簡単に説明します。

ストラック図
  • 売上 … 一番左が売上です。売上は変動費と粗利を足し合わして算出できます。
  • 変動費 … 変動費は売上に伴って変動する費用です。飲食であれば材料費などがそれにあたります。
  • 粗利益(限界利益、売上総利益) … 売上から変動費を差し引いた大雑把な利益です。
  • 固定費 … 固定費は人件費や家賃、光熱費、など事業を行う上で固定で発生する費用です。
  • 人件費 … 固定費のうち人材の給与などです。
  • その他 … 固定費のうち人材を除く家賃、光熱費などの費用です。
  • 利益 … 粗利益から固定費を差し引いて残った利益です。

このストラック図の「利益」が、事業を継続する上でいくら必要なのかを求めたうえで、達成すべき売上目標を取り決めることが重要です。

是非御社の事業だとどうなのか試してみてください。

利益目標と固定費から売上目標を求める

ストラクチャ図にまとめるとこのようになります。

まずは、必要な利益を元に利益目標と、来期必要な固定費を足し合わせて粗利益目標を求める。

粗利益目標が定まったら、粗利益で割って売上目標を導く。

売上目標=(固定費+利益目標)÷粗利率

中長期経営計画の売上予測と調整

最終的に出来上がった売上目標と売上予測と照らし合わせ、どの程度のギャップがあるか?ギャップをどのように対処するか?計画の調整が必要になります。

突然コロナ禍や戦争、大災害のような急激な顧客行動・市場の変化などがあった場合などによっては、中長期経営計画を大幅に修正が必要になるようなケースも出てくるわけです。

最終的に決定した売上目標を個人目標まで分解した結果、前年比300%の達成を求めるような現実味のないような目標になってしまうと、その目標は絵に描いた餅になってしまいます。

次回売上目標から実際の営業行動計画KPIまで分解する内容をまとめます。

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