3C、PEST、5F、SWOT、STP、4P…フレームワークは連携して使う

戦略
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3C、PEST、5Forces、SWOT、STP、4P…さまざまな分析フレームワークがあります🤔一つは聞いたことあるというビジネスパーソンもおられるのではないでしょうか。経営学の本などよく読む方はお馴染みの分析フレームワークだとおもいます😄

これから紹介するフレームワークは、ビジョン・目標などに対し戦略を策定し戦術つまり打ち手を導くときに非常に役立ちます。フレームワークを活用すると複雑な事でも、漏れやダブりがないように、情報を整理整頓してシンプルに考えられるようになります😉

素晴らしいビジョンや重要な課題でも、では、どうやって実現・解決するのか?何をするべきか?と、考える要素が多すぎると非常にぼんやりしてしまいます🙄

例えば世界から貧困をなくしたいというビジョンがあった場合、実行可能で効果のある打ち手を導くには、かなりステップの分解が必要です。そこで偉人たちが作ったフレームワークを用いて分析すると、複雑な課題もスムーズに分解して打ち手まで導けるようになるというわけです😊

また、AI時代にフォーカスしたフレームワークの使用例も作ってみました。併せてご参照ください。

フレームワークの使い方

いくつかフレームワークを知っているけど、うまく使えない🤔いつ使うものなの?🙄と思う方もおられると思います。フレームワークをうまく活用するには以下の3点を押さえる必要があります。

  • 何を導きたいのか明確にする。
  • フレームワークの目的を理解する。
  • 目的に応じてフレームワークを使い分ける。

フレームワークの使い方以上に目的を理解して、フレームワークの選定重要なのです😄使い方はザックリと理解し、使う時にしっかりと調べれば十分です。

ここでは、様々なフレームワークを組み合わせたり連携させて分析し、全体を俯瞰しながら時には戻ったりして、フレームワーク間を相互に作用させ施策を導くことを目標にします😁

フレームワークで分析し全体を俯瞰してよむ

まずは、これらの分析のフレームワークのベネフィットを俯瞰して理解すると、どんな時にどのフレームワークが役立つかわかるようになります。全体像をつかんだら、それぞれ理解を深めていきましょう😊

フレームワーク分析の目的得られること
PEST分析外部環境マクロ分析業界全体へ影響を与える要素からよむ
5Forces分析外部環境ミクロ分析企業活動への脅威をよむ
SWOT分析自社分析強み弱み・機会脅威から自社を知る
TOWS分析戦略策定SWOT分析を元に戦略をたてる。
3C分析戦略策定自社・競合・市場顧客から方針をたてる。
STP分析戦略策定市場を絞り競合との位置関係を導く。
4P→4C+4E分析戦術策定戦術をたてる
フレームワーク

これらのフレームワークを整理しながら進んだり戻ったりしながら、戦略を立てていきましょう。

では、それぞれのフレームワークの目的と概要を確認しましょう。

PEST分析(外部マクロ分析)

PEST分析は、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)を元に外部環境を分析するフレームワークです。

PEST分析によって自社や競合を含めた業界全体の周囲を取り巻く外部環境が、現在から将来どのように変化していくのかを導くことに役立ちます。

PEST分析

PESTの使い方はこちらを是非参考にしてください。

5Forces(外部ミクロ分析)

PESTが業界に影響を与える大きな要因をマクロで分析するのに対し、5Forcesは業界内外から企業活動に影響を与える要因で分析します。5Forces分析は、売り手の脅威、買い手の脅威、競争企業の脅威、新規参入の脅威、代替品の脅威の5つの要因を分析します。これにより自社のおかれる環境を把握する事ができます。

真ん中が、業界の中の競争を示します。

縦軸の新規参入、競合、代替品で、現在から未来の脅威を示す競合軸となります。参入障壁が低い産業では新規参入が後を絶たなかったり、ディスラプターから市場を破壊されつつあるような産業では代替品が強かったりします。

横軸の顧客、競合、仕入れ先で、企業活動の脅威を要素とします。顧客が強いと取引の交渉が分が悪くなるリスクがあり、また仕入先が強すぎると、商品の価格交渉に不利になったり、商品を卸してもらえなかったりするリスクがあります。

コレらの観点で各脅威別に要素を整理します。

5Forces分析
5Forces分析

5Forcesの使い方はこちらを是非参考にしてください。

SWOT分析(自社分析)

SWOTは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を元に分析するフレームワークです。

3Cで導いた自社の強み、弱みに、機会、脅威の外的要因を加えて整理しクロス分析することで、

機会と脅威は、PEST分析や5force分析を活用して整理すると効率良くなります。

プラス要因マイナス要因
社内強み(Strength)弱み(Weakness)
社外機会(Opportunity)脅威(Threat)
SWOT分析

クロスSWOT分析(戦略策定)

SWOTで導いた内容を元に、4つのパターンの戦術を考えます。SWOTで導いた、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を掛け合わせて施策を導きます。

機会
(Opportunity)
脅威
(Threat)
強み
(Strength)
S×O
強みと機会を最大限生かす
S×T
強みをいかし脅威に対処する
弱み
(Weakness)
W×O
機会をいかし弱みを補完する
W×T
弱みと脅威を最小限に抑える
TOWS分析

SWOT分析の使い方はこちらを是非参考にしてください。😁

3C分析(戦略策定)

3Cは、自社(Company)競合(Competitor)顧客(Customer)の3つをCをとったものです。この3つのCを整理して事業の方向性を導きます。

外的要因である競合他社や顧客と自社の関係性を明確化することで、自社の強みや弱みを抽出することができます。

  • 自社(Company):自社の強みや弱み、自社の評価
  • 競合(Competitor):競合他社の市場状況、競合他社の評価、競合他社の強みや弱み、5Forcesの新規参入・競合・代替品が対象
  • 顧客・市場(Customer):市場の把握、顧客のニーズの把握
3C分析
3C分析

顧客・市場と競合をみて、勝つために必要な条件・ポイントつまり勝ちパターンを導きます🤔その導いた勝ちパターンからと自社を比較して何が足りないのか?どうあるべきなのか?導きましょう😄

また、自社と競合をみて、自社と競合それぞれの強みと弱みを導きます🤔その強み弱みで勝てる市場を導きましょう😄

最後にこれらの分析を元に市場と自社をみて、STP分析でさらに深堀していきます。

STP(戦略策定)

STP分析は、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲット(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の順番に考えて戦略を導くフレームワークです。

このフレームワークは、主に3C分析で出てきた市場→自社→競合の順に詰めていきます。

  • セグメンテーション:市場を分解します。
  • ターゲット:自社がどの市場を攻めるべきか絞り込みます。
  • ポジショニング:競合とのポジショニングを設計します。
STP分析
STP分析

STP分析を記事にまとめたので是非ご参照ください。

4P(戦術策定)

分析を行い戦略を立てたところで、いよいよ施策・戦術です。4Pとは製品(Product)、流通(Place)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)の頭文字をとった4Pです。

4P同時に全部いじって戦術を考える必要はありませんが、この4つをどう組み合わせて戦術を行うか考えることが重要です。

74日で100万食突破した事例

例えば吉野家の事例を紹介します。みんな大好き吉野家は牛丼屋です😍これから吉野家で新しい顧客を増やしたいと考えるときどうしますか?🙄

元P&Gのマーケターがしかけた吉野家で74日の間に100万食突破した事例を4Pで紹介します😉

牛丼ってそもそも、なんか太りそうなイメージですよね😅そこで吉野家が打ち出した商品(Product)は、「ライザップ牛サラダ」です🤣筋トレしてプロテインを毎日飲んでる方は、ピピーンとくるものがあるのではないでしょうか?明らかに吉野家のロイヤル顧客ではなさそうなターゲット設定です。

まず、牛丼のご飯の代わりにサラダですよ😂牛丼食べると太るよねっていうイメージを一気にひっくり返す商品です。トレーニングしている人はタンパク質(=プロテイン)を摂取したくて、なるべく糖質(=炭水化物=ごはん)は取りたくないのですよ。太る原因はご飯と認知して意識している人には、サラダだけでは物足りない・・・しかし、そこは牛肉で補完ですよ。特定のターゲットにはザクっと槍が刺さる感じの商品(Product)です。

そして、プロモーションですが、まずポスターをガッツリ作ります。見た感じ超具沢山な商品なのに、コレご飯がありませんからね。大きな具沢山の写真に「高たんぱく質、低糖質」と書かれ、「ライザップ」のブランドにも乗っかるプロモーション(Promotion)周到さ🤔

吉野家×ライザップのダイエット飯「ライザップ牛サラダ」を食べてみた - GIGAZINE

さらにこの吉野家は、1,200程度の店舗が駅前など人通りのいい立地(Place)をしっかり押さえています。駅前は通勤や通学で毎日通る人が多いわけでして、毎日歩いている場所に行きと帰りで2回このポスターを見せているとどうなるか言うことです。

吉野家はどいうポスターを通行人に毎日見せると行動させることができるか?逆算してプロダクトの盛付などを作るそうです。プロモーション=テレビ広告戦略ではないのです。

そして500円という価格(Price)設定。日頃タンパク質を強く意識して食事をしている人には、かなり魅力的な価格設定なのではないでしょうか?🤔普段吉野家で並盛(352円)食べている人にはやや高い印象かもしれません。したがって、吉野家的には低価格戦略ではないという事になります。

これらの4P施策の結果、74日で100万食突破したという事です。その顧客は、既存客ではなく新規顧客を多く含むこと重要です。

いかがでしょうか?このようにして4P全体を作用させながら施策を考えます。やっぱP&Gのマーケターはやることが半端ないですね。

戦略レイヤーの情報は入手できていませんが、お気づきのとおりターゲットをかなり絞り込んだ戦略であることはわかります。それでいて、実績ベースでは十分な売上を確保できているのです。かなり綿密かつ周到に練られた戦略であることは容易に想像できます。(後日そこを考察してリライトします😅でないとこの記事の締めにならないね…)

4P→4C+4Eへの変化

世の中の変化とともに戦術も4P→4C+4Eと変化しています🙄それぞれ4つずつ項目があります。それぞれに対して戦術を策定していきます。

下記のように左から右に変わってきました。

4P4C4E
製品
Product
顧客価値
Customer Value
経験・体験
Experience
流通
Place
便利さ
Convenience
どこでも
Everywhere
価格
Price
顧客コスト
Customer Cost
交換
Exchange
プロモーション
Promotion
コミュニケーション
Communication
伝道師
Evangelism

4Pは、売り手側の視点。4Cは買い手側の視点に代わりました。そして、4Eです。ここ数年前から4Eが注目をあつめています。

Product(製品) から Experience(体験)へ。シェアやレンタルで必要なもの必要な分だけというモデルが注目を集めました。長く使ってもらってLTVを稼ぐ方向にシフトしたのです。

Place(場所)からEverywhere(どこでも)へ。実店舗で販売していた小売店がECで販売するようになり、オムニチャネルOMOが浸透し、オフラインとオンラインがシームレスになってきて、消費者はどこでも購入することができるようになったのです。

Price(価格)からExchange(交換)へ。例えばハイブランドの製品は所有することに価値がありました。徳の都心では週末しか乗らない車であっても、車を所有していました。それがシェアやサブスクリプションなどに代わることで、製品から得られる純粋な価値に対して大家を払うようになったのです。

Promotion(販売)からEvangelism(伝道師)へ。マス広告で一方的に企業がメッセージを発信しても昨今ではメッセージが届きにくくなり始め、今では顧客同士で情報を共有するようになりました。したがって、「企業は何を発信してもらいたいのか?」という視点をもって、ユーザにサービスを提供する必要が高まってまいりました。

このように製品がサービスにかわり、販売からサブスクへ、売上からLTVへと変化するサービスが増えはじめ、4Pは4Cへ変わり、4Eへと幅を広げています🤔

まとめ

いかがでしょうか。それぞれのフレームワークと、どのように作用しあい、分析→戦略→戦術の導き方がみえてきましたか。ここまで戦術まで出したところで、KPI・KSFを定めて運用開始です。

ただ、あまりフレームワークばかり見ているのも危険です🤔に寄りすぎると本質を見失い、現実に目を向けない空中戦ばかりになってしまいます。フレームワークは思考を整理するツールにすぎません。出来るだけリアルの商品や顧客をみて感じましょう😄

おすすめセミナー

下記のセミナーを予定しております。是非ご参加ください。

タイトル博報堂アイ・スタジオ「予測困難なAI時代、マーケティングDXでどう迎えるか」
開催日2023/10/17 11:00~12:00
参加方法Zoom
参加費0円
参加お申込みhttps://dx.i-studio.co.jp/seminar/20231017_ai-mktg
博報堂アイ・スタジオ
予測困難なAI時代、マーケティングDXでどう迎えるか
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